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静かに生きるノート – slowliving-note.comへようこそ!
このブログでは、心を込めて描いたアート作品の紹介や、読んだ本の感想、映画・ドラマの記録、日々の出来事まで、日常の中にある“ときめき”や“ひらめき”を綴っています。
ふとした時間に、あなたの心にも何かが届くような、そんな場所を目指しています。

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「葉桜の季節に君を想うということ」読書感想文
「葉桜の季節に君を想うということ」読書感想文 贈られた一冊が開いた世界 友人が「私の好きな本なんだ」と贈ってくれた。 どんな物語が待っているのだろう。そんな期待を胸に、その夜、本を開いた。 読み始めたのは夜の10時過ぎ。気づけば深夜2時を回っていた。ページをめくる手が止まらなくて、最後の数十ページはもう「えっ?」「えっ!?」の連続だった。閉じた本を持ったまま、しばらく呆然としていた。 翌朝、まだ興奮が冷めないうちに、友人に長文のメッセージを送った。「まんまと騙された」「すごい本を贈ってくれてありがとう」と。彼女がこの体験を私に味わってほしかったのだと分かって、改めて胸が温かくなった。 心地よい語り口に潜むもの ミステリーは結構読む方だと思う。叙述トリックも、どんでん返しも、それなりに経験してきた。だから、ある程度の警戒心は持つようになっている。怪しい人物、不自然な会話、伏線らしきもの。 それなのに、この作品の前では無防備だった。語り手の声が心地よくて、その語り口に安心して身を預けていた。ユーモアがあって、時に皮肉で、でもどこか優しい。そんな声に導
1月6日読了時間: 4分


映画『戦場のピアニスト』感想文
映画『戦場のピアニスト』感想文 ピアノの音が、静けさの中で響くということ 偶然だった。 ある夜、アマプラで○日以内に終了という記載を見て何となく再生ボタンを押した。 予備知識なしで観た。 そして、画面の中で展開される出来事に、言葉を失った。 音楽が「語る」瞬間 主人公がピアノを弾く場面は、映画全体を通してわずかしかない。だからこそ、その音が鳴るとき、空気が変わる。音楽は美しさとしてではなく、生存の証として、沈黙の重さを測る物差しとして、そこに在る。廃墟のようなアパートで、凍えた指先で鍵盤に触れるあのシーンを、私はまだうまく言葉にできない。 助けられることの不条理 誰かが差し伸べた手によって生き延びる。けれど、その隣で、同じように手を伸ばした人が助からない。映画は、その不条理を説明しようとしない。ただ映す。運命と呼ぶには冷たすぎる偶然の連続を、主人公は生き延びていく。彼はヒーローではないし、特別な何かを持っていたわけでもない。 見ることと、見られること 隠れて息を潜める場面が何度も訪れる。窓から外を覗く視線の先には、日常を破壊する暴力がある。けれど
2025年12月15日読了時間: 2分


映画『インセプション』感想文
映画『インセプション』感想と考察|夢と現実をめぐる哲学的な旅 クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』、公開からずいぶん経った今でも根強い人気がありますよね。「夢の中に入ってアイデアを植え付ける」なんて設定自体がもうワクワクしますし、映像表現も圧倒的。でも、それ以上に引っかかるのは、「これって夢?それとも現実?」と永遠に頭を悩ませてしまう哲学的な問いかけです。 夢と現実の境界ってどこ? この映画の象徴といえば、やっぱりコブの“トーテム”(回転するコマ)。現実か夢かを見分けるための小さな道具ですが、最後にそのコマがどうなるかはハッキリ描かれません。 これってデカルトの「私は考える、ゆえに私は在る」的な懐疑論を映像化したようなもの。結局、私たちは「現実」と思っているものをどこまで信じられるのか? という問いを突きつけられているわけです。 「私」をつくるのは記憶? コブが妻マルとの記憶に縛られている姿は、かなり痛々しいけれど興味深いテーマでもあります。哲学者ジョン・ロックは「人間の同一性は記憶によって成り立つ」と言ったんですが、この映画ではその
2025年10月5日読了時間: 3分


「限りある時間の使い方」読書感想文
「限りある時間の使い方」読書感想文 オリバー・バークマンの「限りある時間の使い方」を読んだ。 この本、生産性アップ系の本ではない。むしろ「もうそんなに頑張らなくていいよ」と肩をポンと叩いてくれる、なんとも慰められる一冊だった。 従来のビジネス書みたいに「1日を25時間にする秘訣!」みたいな無茶なことは言わない。代わりに「君の人生、だいたい4000週間しかないから、もう諦めよう」という、ある意味で爽快な現実主義を突きつけてくる。 衝撃の「4000週間」理論 この本で一番「うわあ...」ってなったのは、人生を「4000週間」で表現したところ。 計算してみると確かにそうなんだけど、こんな風に数字で突きつけられると、なんだか急に焦ってくる。でも不思議なことに、読み進めていくうちにこの焦りが安心感に変わっていくんだよね。 著者は「効率化すれば何でもできる」という現代人の思い込みを、バッサリ斬り捨てている。 「生産性の罠」っていう概念が特に面白くて、要するに「仕事を早く片付けるほど、新しい仕事がどんどん舞い込んでくる」という、まさに現代のシーシュポス神話だと
2025年8月27日読了時間: 3分


映画『Perfect Days』感想
Perfect Days ── 日常に潜むひかり ヴィム・ヴェンダース監督の映画『Perfect Days』を観ました。物語はとてもシンプルです。東京・渋谷でトイレ清掃の仕事をする平山さん(役所広司)が、毎日を淡々と過ごしていく。朝起きて、植物に水をやり、仕事に向かい、帰りに銭湯へ寄り、夕飯を食べて眠る。そんな「繰り返す日常」のなかで、木漏れ日を見上げ、音楽を聴き、本を読む。大きな事件は起こらず、語られる過去もほとんどありません。けれど、その一つひとつの瞬間が、とても深く心に響きます。 語らないことの豊かさ この映画の好きなところは、語らないことの中に、これほどまでに物語が宿るということ。平山さんは自分の人生をほとんど語りません。その沈黙の中で、観る側の私たちは、木漏れ日の揺らぎや、風に吹かれる葉の影に、彼の時間を重ねていくことになります。映画を観るというより、 誰かの日常を静かに観測している ような感覚でした。 Perfect Days と、私の絵 観ているあいだ、私はときどき「自分が描きたい絵」のことを思い出していました。絵を描くとき、ふとし
2025年8月21日読了時間: 2分


読書感想文:すべてがFになる(森博嗣)
読書感想文:すべてがFになる(森博嗣) 実用書から小説へ──価値観の転換 これまでの私は、どちらかといえば仕事や生活に直結するような実用書ばかりを読んでいた。本を読むのは「知識を得るため」「役立つことを学ぶため」——そんなふうに捉えていたからだ。 しかし森博嗣さんの『すべてがFになる』を読んで、その価値観が一変した。理系ミステリというキャッチーな響きに惹かれて読み始めたこの作品は、ただの推理小説ではなかった。密室殺人というクラシックな題材の中に、「人間とは何か」「自由とは何か」という深い哲学的な問いが静かに息づいており、読後には不思議な余韻が残った。 シリーズへの没頭と発見の喜び この一冊がきっかけで、S&Mシリーズや四季シリーズ、そして『オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei's Last Case』へと読み進むうちに、作品の中にちりばめられた仕掛けや構造の巧妙さにどんどん惹かれていった。物語の外側にまで広がるような伏線や、登場人物たちの言葉の端々に潜む意味を読み解いていく時間は、とても刺激的だった。 キャラクターたちの会話がいちいち含蓄深
2025年8月19日読了時間: 2分


映画「鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来」を鑑賞してきました
映画『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』親子で観た感想(ネタバレなし) 小学2年生の息子と一緒に、映画 『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』 を観てきました。正直、「刺激が強すぎないかな?」と少し心配していたのですが、本人の強い希望に押され親子で劇場へ。結果から言うと――行ってよかった! 小2息子と挑戦した劇場鑑賞 上映中の息子は、涙を浮かべたり、はにかんだり、感情フルコース。スクリーンを通していろんな感情を体験している様子が伝わってきて、見守る私も胸が熱くなりました。観終わってから「観てよかった?」と聞くと、「うんっ!」と満面の笑み。ほっとひと安心です。 印象に残ったシーンは…まさかの親子一致! 帰り道に「どのシーンが一番印象的だった?」と聞いてみたところ、まさかの回答―― 私と同じシーン を挙げてきたんです。え、そこ!?と笑ってしまうような意外な場面。でも、同じ瞬間に心をつかまれていたことが分かって、なんだかすごくうれしかった。親子の“琴線”が重なる瞬間ってあるんだなあと実感しました。 また一緒に映画を観に行きたい、そう思わせて
2025年7月21日読了時間: 2分
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